イラストSS

　――あの星を見に行こう。きみと二人で。
　どれだけ寒くたって、どれだけ冷たい風が吹いたって、繋いだ手のぬくもりが、それを吹き飛ばしてくれる。
　誰でもいいわけじゃない。きみだから感じられる、とても暖かいもの。
　火竜である自分が、きっと負けてしまうくらいにあったかな、そんなきみの手が。
　そばにあるのならば、きっと。
　きみの瞳を、空にたとえただろうか。星にたとえただろうか。海にたとえただろうか。
　何にしても、とても大きくてきれいで、あたたかなきみの瞳は。
　今空に輝く、どんなものにだって負けないはずだから。自分が視た、この世のどんな綺麗なものよりも、ずっと綺麗で、愛しいものだから。
　……抱きしめたいと言ったら、きみは驚くだろうか？　それとも、笑って揶揄うだろうか。顔を赤らめて、もじもじしてしまうかもしれない。
　ただ、受け入れてくれると嬉しい。ううん、受け入れさせてやる。それがきっと、きみが好きな自分で――多分、自分の本心だと思うから。
　もう逃げられるなよ、って笑って、きみを抱きしめた。
　きみは恥ずかしそうに、僕をうけいれた。この次はわかるよね？
　もう離さない、僕のたからもの。

※SS担当：洗井落雲