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鹿ノ子のノキアによる2人ピンナップクリスマス2023
鹿ノ子のノキアによる2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
今になって思えば、糸はこの場へと帰結するのだと確信がある。
鮮烈なる花は、青空の下で元気に笑っていた。
外の世界は花の言葉によって広がった。
だから、この先も共に在りたいと願う。
「おはようございます、遮那さん」
朝の日差しが障子の向こうから垂れ込めていた。
柔らかな鹿ノ子の声に手を伸ばし、さわり心地の良い肌に触れる。
忙しい執務も、今日ばかりは休めと言われ、朝からゆったりとした時間を過ごしている。何時もとは違う振り袖を着た鹿ノ子に愛おしさがこみ上げた。
「今日は、一段と愛いの」
「特別な日……ですから」
星が降り注ぐ、聖なる日なのだ。
遮那の前では愛らしくいたいと鹿ノ子は華やかな振り袖を選んだ。
「鹿ノ子」
ゆるりと背に回された腕を感じる。
そのまま遮那の胸板に身体を預けた。
絹ごしにじんと広がってくる体温が心地良い。
「此より先も傍に居てくれるか?」
「勿論です。天命尽きるまで、貴方の隣がいいです」
「ならば私も、其方と同じものを預けよう」
心を。愛情を。ぬくもりを。
思いを、口づけに乗せて。
お互いに愛を誓う。
紡がれた糸は二人を結び、これから先も続いていく――
※SS担当:もみじ
挿絵情報
- 公認設定『確かに恋だった』