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囲 飛呂の緲による2人ピンナップクリスマス2023
囲 飛呂の緲による2人ピンナップクリスマス2023
イラストSS
幻想王国の冬は寒々しい。暖かな紅色のマフラーに顔を埋めていたユリーカは真白の息を吐いた。
「ユリーカさん、待った?」
「いいえ! 街が華やいでいて見ているだけでとっても楽しかったのです。
今日はこの敏腕情報屋のボクを何処に連れて行ってくれるのですか?」
にんまりと笑うユリーカに飛呂は「敏腕情報屋様も吃驚なスポットだよ」と揶揄うように言った。
深々とつもり行く雪を踏み締めて、二人で廻るのはクリスマスマーケットだった。街並みは光の海へと変わり、その濁流に飲み込まれて仕舞いそうな錯覚をも覚える。
「ユリーカさん?」
「逸れてしまいそうですねえ」
「それに、転ぶと危ないから、さ」
そっと飛呂が手を差し伸べればユリーカはぱちくりと瞬いた。
いいのかと問うような視線に「ほら、手、握って」と促した。最初は顔を合せるのも戸惑うような関係だった。それg合間は手を繋ぐまで、随分と近い距離になったと思える。
嵌めていた手袋を「寒いだろうから付けておいて良いよ」と片方だけ渡して、素肌で握り締めればひんやりと冷たい感触がした。
「暖かいのです」
「それならよかった! それじゃあ、そろそろ何か見に行こうか」
「はい!」
嬉しそうに笑う彼女の手を引いて、冬の街を行く。
*SS担当:夏あかね
挿絵情報
- 公認設定『#『大切なもの』』