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Uweのうみちょすによる2人ピンナップクリスマス2022
Uweのうみちょすによる2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
ネクストの世界にもカフェテリアがあり、優しいチルの旋律が微かに聞こえてくる。
ゆったりとした空気は暁月にとっても心地よいものだった。
この世界が作り物なのだとしても、混沌世界との差違を知ることは楽しかった。
どんな風に地理や歴史が変わっているのか、自分達の世界のオマージュ作品を読むようで、子供のように本を読みふけってしまった。
「次はどんな本にしようか……」
沢山の本の中から選ぶのは中々に難しい。どれも面白そうで、迷ってしまうからだ。
伝承の歴史、砂嵐の遺跡に眠る財宝、閉ざされた翡翠の暮らし。
希望ヶ浜という箱庭の中で暮らしている暁月にとって、世界は素晴らしいものに見えた。
純粋に憧れているのだろう。だから、社会科の先生をやっている。
「おや……?」
本を選びながら暁月はラックの下にぬいぐるみが置いてあるのに気付いた。
微笑みを浮かべるものが多いなか、明らかに満面の笑みをしているぬいぐるみがある。紙っぽい。
「廻や晴陽ちゃんが喜びそうだけど……」
観察しているとそのぬいぐるみがふわりと動き出した。
どうやらぬいぐるみではなく、アバターだったらしい。
「ん? 君は何処かであったような?」
夏祭りで同じようなシルエットを見かけた気がする。
不思議に思いながらも暁月は選んだ本を手に、また席へと戻っていった。
※SS担当:もみじ