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ウルリカのうみちょすによる3人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
シャイネンナハトなので、パーティでもしましょうか、とムサシ君がお誘いを受けたのは先日のことである。
会場は、シレンツィオ・リゾートのお高いホテル。
果たしてどうやって会場を押さえたのかと考えれば、マールちゃんがちょっと頑張ったらしい。ウルリカさんも頑張りましたよ。
まぁ、それはさておき、会場のセッティングは、おおむねマールに任されていた、というところがまぁ問題で、「パーティだよね? まかせて!」と笑ったマールちゃんは頭が竜宮嬢なのであった。そういう人がパーティ会場をセッティングすればどうなるのかというと、当然のごとくこうなるわけである。
具体的に言うと、キャバクラっぽかった。
「…………」
カチコチと固まるムサシに、マールは笑いかけた。
「えー、ムサシさん、こういうの初めて?」
「え、あ、はい」
「えー、ふふ、かわいいー」
マールが体を密着させて笑う。いつもの接客である。
「シャンパンはいりますか」
ウルリカが淡々というので、マールが笑った。
「飲み放題だよ~! あ、みんなアルコールはダメかな。ノンアルで!」
「では、ノンアルのシャンパンはいります」
とん、とノンアルのシャンパンの瓶を、優雅にテーブルに置いた。テーブルの上には、フルーツの盛り合わせとかそういうのが置いてあった。キャバクラみたいだった。
「もー、ムサシさん、笑ってよ~! 楽しくないの?」
「いえ、その、はい」
「えー、あたし、楽しませられなかったのかな……ちょっとショック」
「ちょっとショックです」
と、ウルリカがそういうので、ムサシは慌てた。
「いえ、そういうわけでは!」
「あはは、そうだよね~! シャイネンナハトだもんね! いっぱい楽しも!」
「シャンパンお注ぎします。ノンアルの」
ウルリカが、ムサシのグラスに、シャンパンをゆっくり注いだ。
キャバクラみたいだった。
「はい、のんでのんでので~」
淡々と盛り上げるウルリカ。
「あはは、なんか変~! でもほら、いっぱい飲んでね~」
マールがウルリカと一緒にはやし立てる。ムサシが遠い目をしながらシャンパンを飲んだ。ノンアルだった。
「えへへ、ムサシさんかっこいい~!」
「かっこいい~」
ぴたりと体を寄せるマールとウルリカ。ムサシが遠い目をした。
キャバクラみたいだった――。