PandoraPartyProject

イラスト詳細

おっと、これ(サボり)は二人だけの秘密だぜ?

作者 ばんたろ
人物 回言 世界
イラスト種別 シングルピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

 いい子にしていれば、サンタさんからプレゼントがもらえるよ──。
 大人たちは口をそろえて子どもたちに言い聞かせるものだ。
 シャイネンナハト──クリスマスの夜。とある家のバルコニーに、双眼鏡を覗き込む少女の姿があった。
 降り注ぐ流星群の下で、少女はある目的のために双眼鏡を握り続けていた。
 ──本当にサンタがいるなら、この目で見てみたい。
 もうすでに家のそばまで来ているかもしれないサンタを見つけ出そうと、少女は星明りを頼りに懸命に目を凝らした。防寒もそこそこの姿で、バルコニーに出ていた少女の体は冷え切っている。
 雪が舞うほどの寒さに耐えかねて、半ば諦めかけたときだった──。わずかな街灯の明かり中にちらついた真っ赤な影を、少女は確かに捉えた。
 少女は双眼鏡を構え直し、レンズ越しの視界に見えたものを再度確かめる。
 少女がいるバルコニーからは、その家屋の屋根の上の様子がよく見通せた。十数メートルほど離れた屋根の上に座る影。その影は確かに、サンタのトレードマークである赤と白の服と帽子を着込み、ずっしりと重そうな膨らみのある袋に寄りかかっていた。
「サンタさんだ!!」
 少女はそのサンタに向けて、夢中になって手を振る。よくよく見ると、そのサンタは眼鏡をかけた若い青年のようで、伝え聞いていた老人のイメージとは異なるものだった。
 しばらくすると、若いサンタ──回言 世界は手を振り続ける少女の存在に気づく。少女に見つかった世界は困ったような笑みを浮かべると、口元に人差し指を当て「内緒だぞ?」とジェスチャーで示した。
 少女が両親にサンタの存在を教えようか迷っている内に、世界サンタの姿は屋根の上から消えていた。

 ※SS担当者:夏雨

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