イラスト詳細
おき海苔様による2人ピンナップクリスマス2022 ある屋敷の出来事「そう何度も不慣れではないのう…」
おき海苔様による2人ピンナップクリスマス2022 ある屋敷の出来事「そう何度も不慣れではないのう…」
作者 | おき海苔 |
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人物 | オウェード=ランドマスター リーゼロッテ・アーベントロート |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2022 |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2022年12月24日 |
2
イラストSS
●あらあら
「やれば出来るではありませんか」
正装に身を包んだ二つのシルエットがワルツの調べに揺らめいている。フォーマルなダンスパーティでリーゼロッテ・アーベントロートの相手を承るのは実は中々勇気のいる事だ。『幻想の至宝』とさえ称される彼女の相手役と言えば、名だたる貴族であるとか、貴公子であるとか。まぁ、それなりに『格』というものが求められるのは間違いない。
「……そうかのう。見様見真似の手習いで、これでも一杯一杯といった感じなのじゃが」
そう言ったオウェード=ランドマスターは実を言えば酷い上がり症である。取り分け、リーゼロッテと相対する時ともなれば上手くやれないのが常であった。
だが、この日ばかりは彼女の望むフォーマルなエスコートをその通りにこなしている。
『やれば出来る』とはそれを指しての言葉であり、成る程。体格の良い彼は不慣れながらに中々様になっていた。
「何時もそんな風なら宜しいのに」
「……それは、正直難しいかも知れぬ」
「そうですか?」
銀の鈴が転がるような笑い声はリーゼロッテが普段余り他人に見せる事のない『屈託のない』声であった。
「では、練習しませんと。
大丈夫です。私がしっかりと仕込んで差し上げますから、ね?」