イラストSS

　リズミカルな音楽と共に華々しいライトがステージの上を縦横無尽に駆け巡る。
　希望ヶ浜で行われるクリスマスパーティの会場は熱気に包まれていた。
　アルエットはステージの袖から会場の人達を覗く。
「はわ……こんなにも沢山の人の前で歌えるかなぁ？」
　袖幕を掴みプルプルと震えるアルエットの肩をそっと抱きしめるのは四音だ。
「大丈夫ですよ。アルエットさんなら。それに私が付いてますし」
　振り返ったアルエットは、いつも通りの四音の顔にほっと胸を撫で下ろす。
「そ、そうよね。折角のシャイネンナハトのパーティだもの。しっかりしなくちゃっ！」
　頬をむにむにと引っ張ったアルエットは「よし！」と小声で気合いを入れた。
「四音さん手を繋いでてくれる？」
「はい。もちろんですよアルエットさん」
　手を繋いだまま、二人はステージの上に出て行く。

　サンタ風アイドル衣装を身に纏った美少女がステージの上で歌い踊れば、会場は大歓声に包まれた。
「えへへ、四音さんすごいね」
「たまにはこういうのも楽しいでしょう？」
　皆の楽しそうな顔が自分たちにも伝わって来るようで、アルエットは満面の笑みで頷いた。

※SS担当：もみじ