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イラスト詳細

ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイムの茶月こまによるシングルピンナップクリスマス2022

作者 茶月こま
人物 ヘルミーネ・フォン・ニヴルヘイム
イラスト種別 シングルピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

●Magic is believing in yourself. If you can do that you can make anything happen.
「わはは、今年も此の夜がやって来たのだ!
 ガルム、行くのだ!」

 聖夜の空を駆け抜ける黒狼と、其れに跨る白狼の乙女。ヘルミーネは去年とは装いを新たに、豊かな胸元が強調されるフィット・フレアのミニワンピースだ。
 『赤い服を着て』
 『空を滑走する動物に乗った人が』
 『子供達宛のプレゼントをばら撒いて回る』
 この三条件こそが人を『サンタクロース』たらしめる物であり、彼女は自分を信じて疑わず、そして今日の為にコツコツとお金を稼いでは使いたくなるのを必死に我慢し貯金していたお金で古今東西津々浦々のおもちゃ屋さんを巡り、輝かんばかりの此の夜にこうして上空から景気良くプレゼント・ボックスを振り撒いている次第である。
 そんな慈善事業めいた事、行った所で懐には一銭も入らないし財布はからっからで冬の夜の荒ぶ風より冷たい木枯らしが吹いていたものの、『まあいっか! なのだ』とあっけらかんと咲う飼い主を、ガルムが何か言いた気な呆れた目で見つめていた。

 『魔法とは己を信じる事。もし其れが出来るならば、何でも起こす事が出来るだろう』なんて言葉はまあさもありなん、と云った所で聖夜の小さな奇跡と謳われるのも言わば自分を信じている彼女自身と、また信じて夜を待ち侘びていた子供達が原動力になった一夜限りの魔法の様なものである。

「……あ、あれは!? なんなのだ!?」
 びゅうびゅうと風を切り進む白と黒の尻尾の横を、馴鹿が引くソリに乗ったおじいさんが飛ばして行き、擦れ違い様に頑張るひとりと一匹に、お菓子の詰まった袋を寄越して、笑って去って行ったのだった。

 ※SS担当者:しらね葵

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