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ベーク・シー・ドリームのnukumukuによるおまけイラスト
ベーク・シー・ドリームのnukumukuによるおまけイラスト
イラストSS
寒い空の下、ベークは街の中の大きなクリスマスツリーの前で誰かを待つ。
夜も近い夕暮れ時で人通りも少なくなってきた中でも、冷たい風を受けて待ち続けていた。
「さむ……」
ちりちり、ちくちくと刺さるような痛みが、ベークの顔に走る。
耳と鼻が断続的に痛み、痛みを感じるとほんわりと暖かさっぽい何かが耳と鼻を駆け抜ける。
冷たさによって感覚が麻痺しているためか、冷たいと温かいがよくわからなくなっている。
ベークの顔が寒さで赤く染まるほどの長い時間はいるが、誰一人そんなことは知らない。
それどころか、彼に待ち人がいるなんて誰も気づかないだろう。
「せっかく買ったんだけどな……」
ちらりと視線を向けた先にあるのは、ついさっき購入した缶コーヒー。
ずっとこの空の下にいるせいか、中身はすっかり冷め切ってしまっている。
それでもポケットには入れず、ずっと手で握り続けていた。
それほど長い時間、待ち続けている。
ベークの脳裏にはもしかしてという予感と不安が過ぎていったが、ふるふると首を横に振ってそれを否定する。
きっと、必ず、自分の元へ来てくれると信じている。
だって今日はシャイネンナハト、特別な日なのだから。
※SS担当者:御影イズミ