イラストSS

　新月が過ぎた頃のシャイネン・ナハト。
　イルミネーションと白い雪で飾られた街をエルスとココロは並んで歩いていた。いつも通り仲睦まじい様子の二人だがいつもと違う箇所がある。
「へ、変じゃないかしら……？」
「とってもお似合いですよ！　素敵です！」
　戸惑い、照れているエルスと、ご機嫌な笑みを浮かべているココロ。対照的な二人の表情と同様に、彼女らが身に着けている衣服も普段とは違う物となっていた。

「折角の聖夜なんですもの。特別な事してみたいじゃないですか！」
「特別な事？」
　ほんの数十分前にココロが言い出し、エルスとココロは互いの服を交換することになった。エルスはココロが目指す医術師を象徴する白衣に、透き通ったサファイアブルーのネクタイ。シックなタイトスカートに黒いタイツで、ココロは吸血鬼が好む夜の帳の黒や妖艶なロイヤルパープルのフリルがふんだんにあしらわれたゴシック調のワンピースである。
「次はあっちのお店に行ってみましょうエルスさん！」
「こんなに可愛いんですもの。皆さんに見てもらわないと！」
「えっ、ええ……！？」
　ココロの提案に、戸惑いは隠せなかったが、決して嫌だとは思わなかったエルスであった。

　※SS担当者：白