PandoraPartyProject

イラスト詳細

ルシのkzgr_によるおまけイラスト

作者 kzgr_
人物 ルシ
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2022年12月24日

0  

イラストSS

●There's a billion people on the planet...…I mean, what does any one life really mean?
 煌びやかな社交パーティに、耳を打つのはオーケストラが奏でる魅惑的な三拍子。くるり、くるり、会場を廻る人々を冷めた視線で覧やる乙女が居た。
「まったく……なんでこんな面倒な物に出ないといけないんだ……」
 壁の華に興じるのもありだとは思いつつ、其れは其れで「あたしの事を何だと思っている!」と彼女の厄介なプライドに傷が付くというもの。
 其れどころか、である。

「げえ!」

 そんな中でも一際目を引く男――天使の輪と豊かな白い翼を持つルシが数多もの女性からの誘惑を物ともせずエレンシアに近寄って来て居たし、逃げようにも頭ひとつ抜きん出た大柄なルシに照準を定められている状態では徒労に終わるだけだろう。

「やぁ、君。私と踊って頂けませんか?」
「……最悪だ」

 周りからの視線をこんなに集めている中で、腰を折り笑って手を差し出して来た其の男の誘いを反故にする訳にもいかず、小さな掌を重ねて溜息をついた。
「喜んで」
「ちっとも『喜んで』って貌じゃ無いんだけどね。私は君と踊れて結構嬉しいよ?」
 手を引かれ円舞曲と目の前の男に身を委ねるエレンシアの其の様は、むくれ面でこそあれど『程々に良く出来ていて』、だからこそ『尚の事、男は虐めたい』と思うもので。そんなパートナーの事をよく知っているから、『より一層腹立たしくて』、錯綜する思いと足運びの最中で爪先を踏ん付けた。

「痛。君、わざとだよね?」
「……ふーんだ、踏まれる方が悪い」
 ちっとも素直になれないが、程々に気が済んだ乙女は男の腕の中で可憐に咲いてみせたのだ――。

 ※SS担当者:しらね葵

PAGETOPPAGEBOTTOM