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イラスト詳細

ルーキス・ファウンの冬在によるおまけイラスト

作者 冬在
人物 ルーキス・ファウン
エルピス
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2022年12月24日

1  

イラストSS

 深々と降り積もる雪を一瞥してから、小さな嚔を一つ漏して赤い鼻先を啜る。
 そんなエルピスを振り返ってから「大丈夫?」とルーキスは優しく問い掛けた。
「はい。大丈夫です。すこし、肌寒く感じたのでしょうか」
「ああ、そうだね。少し冷えるから」
 赤いマフラーは彼の印。エルピスはそう感じていたから、それをそっと巻き付けてくれた彼に思わず驚いたように目を見開いた。
 まるで彼そのものに包まれているようで、どこか気恥ずかしい。白い指先を一度握り「冷えるね」とルーキスは微笑んだ。
「はい」
「……手袋、用意すればよかったな。手を繋いでも?」
「はい」
「……これで少しは暖かくなったかな。この時期は街にも人が多いから、はぐれないように気を付けて行こう。じゃあ、はい」
 何時だって、道に迷わぬように彼は手を握り締めてくれる。暗澹たる道でも、どの様な隘路でも、迷わぬように進めるのは光があるからだ。
 この人は、きっと、眩い光なのだ。己はどれけ明るい光の色をしていたって、何時だって俯いているから。
(あたたかい――)
 仄かな温もりを感じ取りながら、慣れぬ足取りで冬の街を行く。
 ともだちも、たいせつなだれかも。
 そうしたものを得ないで育ってきたから。どうしたって、擽ったい。


 *SS担当者:日下部あやめ

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