イラストSS

「ねえ、紫琳さん。本当にシャイネンナハトってこんな服装をするの？」
　ぱちくりと瞬いた琉珂に紫琳は頷いた。
「練達で確認した記録では若い女性店員がこのような格好でケーキを売ったりしていたのですが……」
「えっ、練達で……こんな感じで……？」
　琉珂が着用して居たのは可愛らしくアレンジされたサンタクロースのコスチュームだった。
　肩が出ておりフリルが着いたミニスカサンタクロース姿。やや気恥ずかしさを感じた琉珂の問い掛けに紫琳は偏った知識を披露していた。
　ああ、練達でそうならば此れは正装なのだろうか。それにしたってスカートはとても短いのだ。
「紫琳が来たかっただけだったりして？」
「え？　いえいえ。別に私が着たかったからというわけではありませんよ。本当ですよ。
　それに、琉珂さん。練達では此れが普通のようですし、恥ずかしい衣装でもないでしょう？」
「……確かに。これが外では普通なら、恥ずかしがる必要は無かったわね。これが外では当たり前なのよね！」
　うんうんと頷く琉珂に紫琳はにっこりと微笑んだ。
　――後々、これがコスプレ衣装の一種だと知った琉珂は「ねえ、本当に着たかったわけじゃないの？」とおっかない様子で問うてきたのだが、それはまた別の話なのである。


　＊SS担当：夏あかね