イラスト詳細
DexM001型 7810番機 SpiegelⅡの朝日奈臣による4人ピンナップクリスマス2022
作者 | 朝日奈臣 |
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人物 | DexM001型 7810番機 SpiegelⅡ オニキス・ハート 橋場・ステラ リュコス・L08・ウェルロフ |
イラスト種別 | 4人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ) |
納品日 | 2022年12月24日 |
イラストSS
●風に踊る灯り
シャイネンナハトにキャンプをしよう――と言い出したのは誰だったか。この季節は街のイルミネーションも華やかだろうが、4人は敢えて都会の喧噪から離れたキャンプ地で空の星明かりを見上げることにしたのだ。
当然ながら、夜のキャンプは冷える。冬となれば尚更だ。
万全の防寒対策をもこもこに、しかし機動性は保ちつつ、4人は焚き火を囲んでいた。
「ココア、いいのではないでしょうか」
「あり、がと……熱っ」
火の番をしていたステラは温めていたココアを網から下ろし、マグに注いでリュコスに渡す。予想外の熱さに一度は舌を出してしまったリュコスだったが、すぐに慣れてからは暖を取るように両手でマグを包み込んだ。
「直火のホットサンドもいい」
「いつの間に……」
ココアと一緒に作っていたはずのホットサンドは、いつの間にかオニキスの頬に収まりつつあった。すぐ隣りで起きた事件に多少なりとも驚きはしたものの、網を片付ける頃には平常運転に戻ったシュピーゲルである。
「……あったかい、ね」
「よく燃えてますからね。火の粉も天に届くようです」
火バサミで火元を弄っていたステラには、リュコスの言葉の本当の意味は伝わったかどうか。
「火の粉にしては、熱くないね」
「これは火の粉ではない。雪だ」
「雪か……え、あんなに星が出てるのに?」
ホットサンドを頬張りながらも、その正体を温度視覚で看破していたオニキスを二度見して、星空を見上げるシュピーゲル。ステラとリュコスも釣られて見上げれば、満天の星空から風花の雪が舞っていた。
「わぁ……星と、雪……!」
「雲ひとつ無いのに、不思議ですね」
「積もるかな」
「積もらないと思う。でも、星も雪も見られてよかった」
リュコスとステラが見上げた夜空に声をあげ、同じく見上げたシュピーゲルにもぐもぐと答えるオニキス。
焚き火に照らされながら風花が舞う様は、空から星が落ちてくるようでもあった。
その夜は、本当に寒くて――皆で囲む火と見上げた夜空が、暖かい日だった。
※SS担当者:旭吉