イラストSS

　シャイネンナハト。私たち兄弟の間ではクリスマス。兄弟の暮らすモノトーンな配色な部屋もこの時期ばかりはカラフルだ。
　ケーンや鈴をほどこしたクリスマスツリー。もちろんてっぺんには星を忘れない。机にはポインセチアを飾り、ガーランドを壁にかける。
　弟の疾風が率先して飾り付けて、兄の凪斗は手伝った。
　今弟はケーキを買いに外出している。

「その間に……と」
　疾風へのクリスマスプレゼント。インテリアの本だ。弟の目の色を思わせる青いリボンでラッピングをほどこしている。
　そして極めつけがウサギのケーキだ。これも事前にバッチリ予約したもの。
「カタログに花丸が書かれているのを偶然見つけてしまってね」
　カタログの紙面を思い出すと笑みがこぼれる。
「意外と子供っぽいって言うか、しかも花丸って。ふふっ」

　ふと窓を覗くと雪が見えた。
「降って来たね」
　弟が寒い思いをしていないといいのだけど。そんなことを考えながらストールを掛け直すと眠気が襲ってきた。

　しばらくして。玄関が少し賑やかになる。
「凪斗さんただいま。……って、寝ちゃっているんですか？」
　そしてウサギのケーキに気付く数秒前──

　※SS担当者：7号