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スティーブン・スロウのbachiによる2人ピンナップクリスマス2022
スティーブン・スロウのbachiによる2人ピンナップクリスマス2022
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鮮やかなイルミネーションで彩られた冬の街をスティーブンとアルマは、所謂恋人繋ぎをして歩いていた。雪の降る町は寒い筈なのに、互いが隣にいるせいか寒さはまるで感じなかった。
むしろアルマはスティーブンから伝わる体温が熱く感じていた。
元の世界で、言葉では到底言い表せない程、酷い目に遭ってきたアルマは恋なんてする間も与えられなかった。
でも今、自分の隣には拠り所としている背の高い彼がいて、どこにでもいる恋人達のようなことをしている。
そのことが嬉しくて、少し恥ずかしかった。
照れてはにかんだ笑みを浮かべたその表情は恋に憧れる可憐な少女そのもので、普段の妖艶な姿の彼女ばかり知っていたスティーブンは意外だという様に目を丸くした。
そしていいことを思いついたと言わんばかりに、彼女の耳元にそっと唇を寄せ甘やかにいつもより少し低めの声で囁いた。
「――。」
「……!」
ぼんっと顔から湯気が出ているのではないかと錯覚する程に、耳まで真っ赤に染め上げアルマは俯いた。すっかり黙りこくってしまったアルマの耳元から顔を離し、今度はその顔を覗き込んだスティーブンはにぃっと意地悪ないつも通りの笑みを浮かべた。
※SS担当者:白