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ファニーのtkによる2人ピンナップクリスマス2022
ファニーのtkによる2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
街の喧騒から離れた静かな路地裏。ねずみと彼らを除いては人っ子ひとりいやしない。そこにはスケルトンと悪霊がいた。
ファニーがポケットからバニラフレーバーの煙草を取り出すと口に咥える。そこへ慣れた手付きでクウハがライターで火を点ける。闇夜に蒼い炎が揺らめいた。
「ファニー、火ィくれ」
クウハが自身も煙草を咥えて言う。
「はぁ? 火なら持ってるだろ」
先程クウハがミストグレーのライターを使ったばかりだ。不思議なことを言うとファニーは思う。
クウハが言う。
「煙草と煙草の先をくっつけんだよ。そうすりゃ火が点くだろ」
クウハの意図しているものに気付くとファニーは少し照れた。
「いいじゃねーか。オマエ俺の恋人なんだろ? 恋人の可愛いオネダリくらい聞いてくれよ」
クウハの押すままにファニーは煙草の火を橋渡す。
「ん」
──ライターあるだろ、何でわざわざ……。
バニラフレーバーにチョコレートの香りが混ざる。クウハの赤い目がよく見える。クウハはファニーの暗い眼窩を見つめていた。
「はぁ……恋人でもなきゃこんなことしねーって骨身に染みたよ」
ファニーがジョークで誤魔化す。クウハはケラケラと笑っていた。
※SS担当者:7号