イラスト詳細
純恋のあさぎあきらによる2人ピンナップクリスマス2022
純恋のあさぎあきらによる2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
菫の花が咲いている。
重ねた手は温かい。寄り添う体温を感じながら純恋は目を閉じる。
世界は楽しくて、苦くて、痛みに溢れていた。
それでもわたしは恋を失わない。
白無垢はきっとその願いなのだろう。
思い出すわたしがわたしに笑顔を取り戻しに来た日もきっとそうだった。
その表情に涙は似合いません。
菫の花が咲いている。
重ねた手は優しい。寄り添う呼吸を感じながら澄恋は目を閉じる。
世界は冷たくて、淡くて、喜びに満ちていた。
それでもわたしは愛を失わない。
ドレスはきっとその証なのだろう。
過ぎ去るわたしがわたしに心を震わせた日もきっとそうだった。
寂しければ声をかけましょう。
菫の花が咲いている。
重ねた手は離さない。寄り添う心を感じながら処恋は目を閉じる。
世界は甘くて、残酷で、涙で浸していた。
それでもわたしは思いを失わない。
喪服はきっとその誓いなのだろう。
振り返るわたしがわたしに手を伸ばした日もきっとそうだった。
手が空をかくのなら握りましょう。
怖くて、でもどうしようもなく愛おしくて。
三つの物語が重なり、束ねて、ほどけない。
「そばにいますから」
※SS担当者:7号