イラストSS

　神社だって、シャイネンナハトのお祭り騒ぎを楽しむこともある。
　今日という輝かしい夜を友と楽しく過ごしたいからと、妙見子が張り切って準備をする。
　途中で合流したヴィルメイズとフロラも一緒に部屋の装飾を楽しんだ。

　冬に欠かせない、足元を温めてくれる炬燵を中央に配備して。
　たくさんの飾り付けを付けたクリスマスツリーをお部屋の片隅に配備して。
　部屋の中を可愛らしいリボンや色とりどりの星などの飾り付けで飾り付け。
　そうして食べる食事は、冬定番のお鍋で決まり☆

　……シャイネンナハトの要素が半分ほど削られているが、気のせいだろう。

「お肉とお野菜に火が通りましたわ！　さあさあ、お二人共たくさん食べて下さいませ～～！！」

　鍋の蓋を開けて、それぞれによそってくれたフロル。
　自分の領地で収穫した野菜や、持ち込んだお肉を少しでも食べてほしいからとガンガン器に盛り付ける。
　２人がどれくらい食べるのかとか、お汁どのぐらい入れるかとか、その辺りを聞くことなく。
　ガンガン、食べた分だけ補充する。

「あ、私はこちらもありますので少し少なめにお願いします」

　スッとヴィルメイズが取り出したのは、自分の身体の約半分くらいのクソデカおにぎり。
　一体何処にどうやってしまっていたのだろう、取り出したおにぎりはホカホカの出来立てである。
　いや本当に、こんな大きなおにぎりを何処にしまっていた？
　というかこんな大きなおにぎり、自分で作ったのか、誰かが作ったのか。
　――今年のシャイネンナハト、最大の謎である。

「うぐ～……ちょっと大声出さないで～……」

　そんな中で妙見子がこたつテーブルに顔を突っ伏してしまっている。
　楽しいシャイネンナハトのお祭りに、いっちょ祝い酒でも飲むか！　したところ酔い潰れてしまったのである。
　乾杯直後からゆっくりスローペースを保っていたが、飲みすぎた、と気づいた時には後の祭り。

「大丈夫ですか？　お水、こちらにありましてよ」
「おにぎりも食べて胃を満たすといいですよ。空きっ腹にお酒は結構危ないですから」
「う～……今はちょっと、このままでいたい……」
「では、一応お皿に盛り付けておきますわね！」
「おにぎりはここに置いておきますね。好きな時にどうぞ」

　フロルとヴィルメイズのマイペースっぷりに妙見子はついて行けてなかったが、これもまた友人同士の集まりだと少しだけ楽しんでいた。
　輝かしい夜、シャイネンナハト。友と過ごす楽しい夜を。

　※SS担当者：御影イズミ