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バクルド・アルティア・ホルスウィングの枢真のえるによる関係者1人+PCピンナップクリスマス2022
イラストSS
「ねえこれ、どうやって食べたらいいの?」
異界のクリスマスをそのまま再現したような丸太ケーキにローストチキン。
綺麗に飾られた丸太型のケーキの表面にそーっとフォークを近づけてから、トルハはバクルド・アルティア・ホルスウィングをチラ見した。
「いや、まあ……俺に聞かれても困る。ケーキなのかコレは?」
「わたしに聞かれても、もっと困るよ」
二人は顔を見合わせ、そして難しい顔で丸太の両端からケーキを睨む。
「上から削るの? それとも輪切りにするの? それとも……両手で掴んでぱくぱく行くとか?」
トルハが丸太ケーキを両手で掴んで恵方巻きのごとくかじりつくさまを想像して、バクルドはつい噴き出してしまった。
さっきまで啜っていたコーヒーを吹き出さなかったのはバクルドのファインプレーだろう。
じゃあまずは……と目の前の料理を夢中で食べ始めるトルハを見てから、バクルドは目を瞑りコーヒーに口をつける。
平和で、温かなシャイネンナハトの一夜。
「――ルド。――クルド」
ゆする感覚に目を開ける。
「バクルド」
夢を見ていたようだ。バクルドはハッと目をあけ、今寝ている場所が宿のベッドの上だと気付く。
顔を動かすと、トルハが自分をゆすっていたらしい。
「ねえ、今夜はシャイネンナハトなんだって。聞いた?」
「ああ……そういえば、そんなイベントがあったな」
色々あってよく知ってはいるが、バクルドはあえて曖昧に答えた。
そんな彼に、トルハは小さな箱を取り出す。
「これ」
差し出す小箱を、バクルドはきょとんとしたまま受け取る。
すると、トルハは噴き出すように笑った。
「『輝かんばかりのこの夜に』――プレゼントだよ。バクルド」
※SS担当:黒筆墨汁