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音呂木神社の一休み
音呂木神社の一休み
イラストSS
「パイセン、クリスマスってどうするの?」
「巫女として年末を乗り切りますが」
「マ?」
それって、もしかして――と言う前にずるずると引き摺られていったのは後輩巫女・秋奈であった。
何時も通りの勤勉さ。嫋やかな外見とは似合わず、結構強情でそれでいて力の強いひよのパイセンは秋奈を引き摺ってミコトしての仕事に備えたのだ。
秋奈曰くは『寒いし、難しいし、マジやばたにえん』との事である。
「サボるからですよ」と唇を尖らし非難がましく言うひよのから視線を逸らした秋奈は懸命に乗り切ったのであった――
「さ、後輩。こっちへ」
「ええ……パイセン。まだ何かある系?」
ぐったりとした明菜を待ち受けていたのは小さなホールケーキだった。二人用なのだろう、余り大きくはないがサンタクロースが可愛らしく手を振っている。
「ケーキ!」
「はい。しっかりとお仕事を終えましたから。ご褒美ですよ」
「マ!?」
ご褒美があることなんて知らなかったと指を組み合わせて喜びを滲ませる秋奈にひよのはにんまりと微笑んだ。
ああ、本当に此処が天国かも知れない。
うまいうまいと頬張って頬を緩める秋奈にひよのはにんまりと微笑む。
「何時もこうして頑張ってくれたら良いんですよ」
「それはー……ちょっと……」
勘弁して下さいと呟いた秋奈にひよのは「ん?」と圧を感じさせる笑みを浮かべていた。
*SS担当:夏あかね