イラストSS

「思い出を作るために『ルーレットで色を決めてそこを触ったり踏んだりするゲーム』をやる！！！！」
　と、秋奈が言うわけである。
「バニースーツで！！！！」
　と、秋奈が言うわけである。
　マールちゃんは、戦いのうちに、イレギュラーズとのいくばくかの思い出を失ったらしい。
　どれも大切な思い出だ。それを取り戻すために――！
「楽しそう！！　やるー！！」
　マールちゃんは純粋だった。そんなわけで、ルーレットの指示に従い、触ったり踏んだり絡み合ったり。
「うう、ブリッジの体勢はきつい……！」
「負けを宣言するのかいマールちゃん！　私ちゃんはまだまだいけるぜ～！」
　にやにやと笑う秋奈へ、マールは笑った。
「まだまだ！　えへへ、こういうのもすごく楽しいよね～！　誘ってくれてありがと」
　屈託なく笑うマールに、秋奈は「へへっ」と笑った。
「いいってことよ……新しく思い出、いっぱい作ろうぜい！」
　些細なものであったとしても。愉快なものであったとしても。
　思い出は、今度こそ消えるはずはないだろう。
　秋奈が触れた、なんか柔らかいマシュマロみたいなやつの感覚とか、とくに。