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ナインの彁による2人ピンナップクリスマス2022
ナインの彁による2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
「輝かんばかりのこの夜に!」
普段ならば静かな街も、シャイネン・ナハトである今日は明るい声で溢れていた。そんな中、街の喧騒から少し離れた場所で、ナインはシュピーゲルに抱かれながら歩いていた。
長いこと歩いていると、いつの間にか高いところにやって来ていた。バルコニーのようになっているそこから、二人で街を見下ろす。きらきらと光る装飾が、まるで夜空のようだ。残念ながら、街が明るいせいで本物の星空は少し見難くなっているが。
「こういうのも、悪くないですね」
ぼそり、とナインが独り言のように呟く。それを聞いたシュピーゲルは、無表情のままではあるがこくんと頷いた。
「来年も、こうして皆が過ごせると良いのだけれど」
「そうですね」
遠くからでも分かる。恋人と、家族と、友人と、楽しそうに過ごしている人たち。戦いが禁じられている今、誰もが幸せそうな表情を浮かべているに違いない。二人でそう考えている時だった。
「――あ、雪」
シュピーゲルが空を見上げると、つられてナインもそちらへと視線を移す。シュピーゲルの言ったとおり、ちらほらと雪が降り始めていた。
はぁ……、と白くなる息を吐く。暖かな冬服を着てきたが、流石に立ち止まっていると寒い。シュピーゲルはナインを抱えながら、また街を見回るために階段を下りた。
※SS担当者:萩野千鳥