イラストSS

　カイト・シャルラハとリリー・シャルラハは、夫婦の寝室で聖夜を過ごしていた。その寝室には、鳥の巣のような円形のベッドがあり、ベッドに寝そべる２人の姿がある。
　カイトの羽毛と毛布の温もりに包まれ、寝息を立てるリリーは穏やかな表情を浮かべていた。
　小人そのもののリリーは、カイトと比べると人形のようにか弱い印象を受けた。隣りで眠るその小さな伴侶を、カイトは愛おしそうに見つめる。
　獣種、鳥人であるカイトは、その大きく立派な翼でリリーを守るように包み込む。
　聖夜のシーズンにどこかで聞かないことはないクリスマスソングを、カイトは鼻歌まじりに子守唄のようにささやく。そして、いつまでも飽きることなくリリーの寝顔を見守るのであった。
　夫婦で過ごす穏やかな夜は、幸福な時間と共に更けていった──。

　※SS担当者：夏雨