イラストSS

　女の子というものはちょっぴり身支度に時間がかかってしまうものなのである。
　それはソアも例外ではなく、折角のこの輝かんばかりの夜を利用して普段以上にべったりくっつけたなら……なんて夢想してしまったり。
　真っ赤なサンタのコスチュームに物足りなくて忍ばせた、太ももの黄色のリボン。
　袋の中には沢山の『プレゼント』を詰め込んで、彼をとびきり喜ばせたい。
（……待って、どうしよう。これって虎なら喜ぶけど、幻想種は……？）
　一生懸命悩んだ。ので、沢山用意しておいた。その一つが今ソアが馬乗りになっている袋の中身である。もしかしたらプレゼントする相手を間違えたかもしれない。
「う、うーん、でもクローゼットになんて入りっこないし、だからって捕まえた獲物をリリースするのも嫌だし……うわぁん、どうしよう！！」
　頭を抱える。が、考えたって仕方がない。とりあえずベランダにでも置いておいて、後で考えよう。
　ぐるぐると袋の口を絞めてちょうちょ結びにしておこう。カーテンをしめておけば見つかりっこないだろうし。
　ああ、なんて名案なんだろう！
「ようし、そうと決まればさっさと片付けておこう！」
「ただいま、ソア」
「あ、おかえり、エスト！」
「……ところで、それは？」
「……ああ！？」

　※SS担当者：染