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イラスト詳細

【Scheinen Nacht2022】宵の髪

作者 mu
人物 エルス・ティーネ
ディルク・レイス・エッフェンベルグ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2022年12月24日

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イラストSS

 シャイネンナハトの翌朝は随分と冷え込んだ。その空気に小さな嚔を一つ、漏してからエルスは振り返った。
「お早うございます。ディルク様」
 声を掛ければ後方で欠伸を一つ漏したディルクは「あん」とのんきな返事をする。
 眠たげな彼の様子についつい笑みを漏してからエルスは鏡台の前に腰掛けた。砂漠地帯の朝は幻想よりも肌寒いがエルスにとっては慣れたものだ。
 朝の身支度を終えたならば今日は何をしようかとそんなことを考えながら櫛を手にしたときだった。
 くい、と髪が引っ張られる。エルスが振り返れば指先で髪を遊ぶ男の姿が見えた。
「ディルク様、いけませんよ。女性の髪は本当に丁寧に扱わねば!」
「女の扱いをお前に言われるとはね」
「これでもレディですから」
 小さく笑ってから櫛を手渡せば手慰みのように彼は一度通してみせる。「色味はなんていうか、あれだな、夜だ」と何とも寝惚けた言葉を繰り出す男にエルスは笑った。
「まだ眠っていらっしゃいますか」
「ああ、そうだな。眠てぇ」
「……もし、この髪が目覚めるような色になったら、目を覚ましてくれますでしょうか?」
「染めるのか?」
「いいえ」
 さぁなぁと曖昧な言葉だけ残してベッドの中へと潜り込んでいく彼を見送ってからエルスは髪をついと摘まんだ。
 ……この色彩が彼にとっては好ましいのか、それとも。なんて、そんなことを考えてしまったのは、屹度――

 
 *SS担当:夏あかね

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