イラスト詳細
【Scheinen Nacht2022】砂漠の湯
【Scheinen Nacht2022】砂漠の湯
作者 | 里一 |
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人物 | エルス・ティーネ ディルク・レイス・エッフェンベルグ |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2022(→おまけイラスト)(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2022年12月24日 |
4
イラストSS
●言わされた
「た、確かに……」
「あん?」
「確かに、『何でもする』って言いましたけど……」
消え入りそうなエルスの声色は実に弱々しいものだった。
事の発端は暫く前、いい加減『ディルクの女』も板についた彼女はラサの周囲にからかわれながらも、せめての反撃とばかりに要求したものだった。
――確かに!
――あん?
――私はディルク様の女で!
ディルク様は私のものではないんでしょうけど!
……いざ言葉にしてみれば酷い字面だが、エルスはそれに拒絶感がある訳ではない。生来からの性格と難儀な男の好みも相まって『それはそういうもの』と認識しているのだ。
――それはそれとして、たまには餌だって必要ですよ!
聖夜は私に付き合って貰いますからね!?
以前よりは随分と主張出来るようになったエルスは言い切って、承諾を得る事が出来たという訳だ。
――じゃ、代わりにこっちの頼みも聞いて貰うか。
――望む所です。何でもしますよ!
呪いのようなその一言を代償に。
で、『こうなった』という訳である。
「……その、ディルク様」
「何だよ」
「は、恥ずかしいのですけれど!」
「素面だとそうなんだな」
「???」
酒癖の悪さは無自覚だ。小首を傾げたエルスにディルクはくっくっと笑い声を上げていた。
(混浴位。あん時に比べりゃ全然マシじゃねーか、お嬢ちゃん)
今も昔もエルスは何時も『面白ぇ女』である。
混乱する当人にとって幸福な事かどうかはさて置いて――