イラスト詳細
ルナール・グリムゲルデの里一によるおまけイラスト
ルナール・グリムゲルデの里一によるおまけイラスト
イラストSS
澄んだ寒さに磨かれた月光が、大きな窓から室内へ降り注いでいる。窓際に設置された座り心地のいいソファーから見上げると、銀星の煌めきを包み込む様にオーロラのカーテンが美しいドレープを織りなしてるのがまるでこの世のものとは思えないほど幻想的だった。
「寒くないか?」
ほぅ……と感嘆のため息を吐くルーキスの隣に寄り添う夫のルナールが気遣わしげに彼女を見遣る。蒼みを帯びた月光を吸収し同色に光るルーキスの髪は大層美しいものではあったが、それはそれとして窓際の寒さが彼女を苛んでいないか少し心配になった様だった。
「問題ないよ。ねぇ、ルナール」
「ん?」
「踊らないかい?」
それはほんの思いつき。いつもよりフォーマルな衣装に身を包んで、美しい月光の下で2人で踊ってみたら。それはとても楽しくて素敵な事なんじゃないかと、そう思ったのだ。
「──もちろん。お手をどうぞ、ルーキス」
そんな些細な思いつきに、ルナールは立ち上がると彼女の前に膝をついて恭しく手を差し出す事で応えた。その表情にはやや悪戯っぽいものが浮かんでいる。
「……ふふ。サマになっているね」
「愛する奥さんに見合う男でいたいからな」
「私にはもったいないくらいの旦那さんだよ」
手を取り合い愛おしげに視線を交わしながら踊る2人を、蒼い月だけが見守っていた。
※SS担当者:和了