イラストSS

「だいぶ『らしく』なってきたな」

　ルナールは大きなモミの木を見上げて穏やかに微笑んだ。シャイネンナハトのために用意したモミの木にはモールやベル、星のオーナメントが色とりどりに飾り付けられている。

「客人を出迎える"顔"だからね、気合いを入れて飾り付けないとだ」

　モミの木のすぐそばで脚立に座り、犬と鳥のオーナメントを手にしているのはルナールの師にして妻であるルーキス。よく見ると他にもモミの木には鳥や猫、蝙蝠と思しき、（あくまでシャイネンナハトで飾るにはだが）少々風変わりなオーナメントが見受けられた。これは彼らの手作りのオーナメントであり、彼らと、彼らの愛しい娘たちをモチーフにしたものだ。

「みんな、喜んでくれればいいのだけど」
「料理もドリンクもたっぷり用意したし、親しい人間しかいない。きっと楽しい時間になるさ」

　今日はホームパーティー。大事な人々を招いて、料理でおもてなしをして、今年一年あったことで談笑なんかしたりして。夫婦はこの後の賑やかで、そして幸福なひと時を思って笑いあった。そんな2人の髪には、ヒイラギで飾ったお揃いの髪飾りが揺れている。

　※SS担当者：和了