イラストSS

　シャイネン・ナハトの夜でもその店は営業していた。
　仕立屋【アンベール】。
　「ギルド・ローレット」から少し歩いた場所にあるその仕立屋は、聖夜に訪れる人々にも変わらない接客で出迎える。
「いらっしゃいませ。ご用件は何でしょうか？」
　カウンターから出てきたオフェリアが笑顔で声を掛ける。
　店内に飾られた衣装は、店主の趣味だろうか、フォーマルな物が多いようだが、頼んでみれば様々な服装に対応してくれるという。今、訪れた客もまたオーダーメイドでの注文をするようだ。
「それでは失礼いたしますね」
　慣れた手つきでメジャーを取り出し計測していくオフェリア。手早く紙に値を記していく。
　気になった点などを客と相談しながら詰めていき、双方の了解を持って契約とする。実に手際が良く、スムーズに契約は結ばれた。
「此の度はご来店どうもありがとうございました」
　満足しながら店を後にする客に丁寧に一礼し、見送る。
　その一連のやりとりは、店を開いてから何度となく繰り返されたもの。変わらぬ立ち居振る舞いは至極のサービスだ。
　最高級のサービスと商品の提供が約束された、仕立屋【アンベール】。
　奇蹟の夜にも営業中のその店を、あなたも利用してみてはいかがだろうか？