イラスト詳細
Sleeping Surprise
Sleeping Surprise
イラストSS
とんとん。
ティミが、リュグナーの部屋のドアをノックする。返事はない。
とんとん。
もう一度叩くがやはり返事はない。はしたないかなとおもいつつもぎいとドアを開く。
暖かい部屋の空気が廊下の寒い空気と入れ替わる。少女は暖炉の前で椅子に座る彼の名を呼ぶが、やはり返事はない。とことこと前に回り込む。
ああ、おやすみ中だったのですね。じっと優しいこのヒトの顔を見つめる。手には難しそうな読みかけの本。お疲れだったのかな? と少女は思う。
少女は少しだけ悪戯を思いつく。そっと気付かれないように、リュグナーの膝の上に座りうふふ、と笑う。
ずいぶんとぐっすりと眠っているようだ。静かで憎まれ口も叩かないリュグナーさんは変な感じ。そう思う。
背中に感じるリュグナーの体温。とっても暖かい。なんとなくうれしくて頭をリュグナーの肩にもたれかけると、なんだか不思議と落ち着く。
その感触をもっと確かめようと目を瞑れば、とくんとくんとリュグナーの心音も聞こえる。幸せだなあと思う。そうしているうちにティミの意識は遠くまどんでいった。
「ふむ」
本を途中まで読んでいたのは覚えているがいつの間にこの少女が自分の膝に乗っていたのか検討もつかない。よだれまで垂らして幸せそうに。
だがリュグナーは起こさない。彼女が起きてこの状況だったときに見せる顔が見たくなったからだ。
さあ、いつこの眠り姫は起きてくるのだろう。