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ゲオルグ=レオンハートの猫星 一之進による3人ピンナップクリスマス2017(横)
イラストSS
「乾杯」
チン、と打ち合わせたグラスの中で紅が揺れた。
ギルド・ローレットの酒場では、大規模召喚以降忙しそうに動き回る情報屋たちの姿がゲオルグ=レオンハート(p3p001983)の瞳には映っていた。
折角のシャイネン・ナハトだ。細やかでもいい。
特異運命座標達の為にと奔走する彼らを労われればとレオン・ドナーツ・バルトロメイ(p3n000002)とショウ(p3n000005)を招いてゲオルグは料理を用意した。
テーブルの上にはワインによく合うと耳にした料理と手乗りサイズのひつじが並んでいる。
ゲオルグのギフトで召喚されたもふもふは何処か楽し気にその身を揺らしている。耳をぴこりと動かして興味深そうに眺めていたショウは「可愛い羊だね」と小さく笑った。
「ああ。『ふわもこフレンズ』で召喚できる可愛い友人だ」
「成程、ゲオルグの『ギフト』は可愛らしいんだね。
ギフト――と呼ぶのは失礼かな? 勿論、名前がついているんだろう?」
ワインを呷ったショウの言葉にゲオルグは大きく頷き綿あめにちっちゃなあんよと顔がついているような可愛らしい友人を『ジーク』と紹介した。
「ジークか。よろしく頼むね」
ワイングラスを掲げどこか悪戯っ子のように笑ったレオンにゲオルグはぱちりと瞬き口元に笑みを乗せる。
ギルドオーナーとして奔走する彼も友人のように接してみれば軽いジョークを織り交ぜる普通の青年なのだろう。
「さて。ゲオルグ、今日はこうした催しをありがとう。
俺もショウも特異運命座標(オマエ)達が召喚されてからずっと走りっぱなしでね。久々に休憩できるのもいいモンだ。
こうして呼ばれる事が無けりゃシャイネン・ナハトを満喫することも出来なかっただろうしね」
「……ああ、感謝を込めての細やかなシャイネン・ナハトのパーティーのつもりだ。それから、レオンとショウの話を聞いてみたくてな」
喧騒のローレットの中で、特等席を用意して、何時もは客を待つギルドオーナーと情報屋をもてなすのは何処か不思議な気持ちさえしてくる。
語り掛ければこくりと頷くレオンと楽し気に相槌を返すレオンが居る。
機会が無ければ中々語り合う事が出来ない相手だろうとゲオルグは満足を胸に料理を口に運んだ。
猫のように目を細めたショウの「今日はありがとう」の言葉にゲオルグは大きく頷きもう一度ワイングラスを掲げた。
「――輝かんばかりの、この夜に」