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リュグナート・ヴェクサシオンのたぢまよしかづによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
リュグナート・ヴェクサシオンのたぢまよしかづによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
イラストSS
「リューちゃん、ケーキ作ってくれない?」
己の事をリューと呼ぶ。それが俺、リュグナートの主人足るルドルフ様だ。
ソファーで本を読んでいた所、突如として膝元にもたれ掛かってこられた。左の膝に確かな重みが。右には丁度ルドルフ様の獣人としての耳が掠めている。心地よい。
「は、はい! ケーキですね承知しました!」
が、思わず声が裏返った。いけない平静を取り戻さねば……!
「して、ルドルフ様はどんなケーキがお好きでしょうか……!」
「んーとね。そうだねショートかな」
「承知しましたすぐにクリームの用意を!」
丁度開いていたのが料理本だ。ルドルフ様のなんと剛運な事か。即座にケーキの欄を開いて。
「いややっぱり今はチョコな気分かな」
「承知しましたカカオを用意します!」
三ページぐらい前に戻った。いや待てカカオはやりすぎだ。揃えるのはチョコからで良い筈で。
「と思ったけどモンブランかなー」
栗を揃えねば! と従者の反応はいちいち面白い。ルドルフにとって膝に寝っ転がった姿勢からは彼の表情が間近で逐一変わる様を眺められる。
もう暫くはこのままでもいいか。心の中で楽しさを感じている彼らの一日はゆっくりと過ぎていく――