PandoraPartyProject

親子の団欒/日常の一コマ

親子の団欒/日常の一コマ

作者 Izm:
人物 バクルド・アルティア・ホルスウィング
Solum Fee Memoria
9 

イラストSS

 りんりんりん、りんりんりん。
 シャイネン・ナハトのお祭りは夜だけではない。昼間だって大賑わいだ。りんりんりん、りんりんりん。楽しげな鈴の音が、親子のような二人の気持ちも盛り上げる。
 少女は猫の尾を嬉しそうに立ててパオを咀嚼する。言葉少ない少女の大好きな食べ物。片手はバスケットの中のりんごに伸びる。
「おいおい、りんごはにげやしねえよ」
 父親代わりの男が普段は厳しい顔を緩めて少女に告げる。
「もぐもぐ」
「くちのもん飲み込んでからしゃべれ」
 いささか行儀の悪い行動に男が少女を諌めれば少女はこくこくと頷きもぐもぐごくんと咀嚼する。
「おい、しい」
「そうかそうか、それはよかったな。でも食いすぎるなよ。このあともいっぱいうまいもん食って歩くんだからな」
「うん」
 そう言いながら少女はバスケットに並べられる可愛い形の菓子パンに手をのばす。
「おまえ聞いてねえな」
 ふるふると首をふる。少女にとってまだ『食い過ぎ』の範疇には入ってないらしい。そんな食いしん坊な少女みて男は苦笑するが、こんなやり取りも悪くはないと思う。
「んじゃ、覚悟しろよ。腹いっぱいになっても、勘弁してやんねぇぞ」
 男はがははと豪快に笑う。少女もまたこくこくと頷いた。
 たのしいシャイネン・ナハトの一日はまだ始まったばかり!

PAGETOP