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ユーリエ・シュトラールの壱ルによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
ユーリエ・シュトラールの壱ルによる2人ピンナップ(横)クリスマス2017
イラストSS
電気を落とした二人の私室。灯るのはケーキに刺した蝋燭の灯。揺らめく炎に照らされて、ユーリエとエリザベートの顔が浮かび上がる。はにかんだように赤いのは、きっと蝋燭の灯のせいだけじゃない。
「メリー?」
「メリー!」
ふたり、小鳥が囀る様に交し合う。祝福の言葉。心を満たす、魔法のことばだ。
「それじゃあケーキ、切り分けちゃいましょうか!」
工作は得意ですから、と胸を張るユーリエに、エリザベートは笑みを零す。確かな愛情が、そこには有って。今更、躊躇いようも無い。
「ケーキは後に。その前にひとつ、プレゼントが有るのです」
「え?……ひゃっ!?」
椅子から腰を上げ、エリザベートはユーリエの瞼の上に唇を落とす。突然の出来事に肩を震わせた、ユーリエの左手をそっと持ち上げて。
「あ……」
薬指に、するりと指輪が嵌められる。ユーリエの目が、驚愕に丸く見開かれた。
「さ、ユーリエ。ケーキを切り分けてしまいましょう? 任せても良いのですよね?」
そう言ってそのままナイフを取りに向かおうとしたエリザベートの袖が、力なく引っ張られる。振り返れば頬を染めたユーリエが。熱に浮いた瞳を潤ませて。
「その……えりちゃん、こっちにも……くださ……んっ」
言葉は途切れ、床に伸びる二つの影が重なった。