イラスト詳細
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イラストSS
慣れない街並みはマナ・ニール(p3p000350)の胸を高鳴らせる。
冷える指先を握り締め、前を行く焔宮 鳴(p3p000246)は「寒くない?」と楽し気に振り返った。
「あ――」
「マナさん、手を繋げばあったかいよ?」
病弱な己を、幸福との距離があるとそう感じている己を恥じる様にマナの視線はゆらりと揺れ動かされた。
不安ばかり、と縺れそうになる足に力が込められたのは傍らを行く鳴のおかげ。
フリルとレェスをあしらったスカートを揺らし鳴は楽し気にマナを振り仰いだ。
胸元飾るキンセンカに白雪がふわりと触れる。
「シャイネン・ナハトで街がキラキラしてて綺麗だね! マナさんも見て見てっ!」
「わあ……とってもきれいなのです」
銀の髪を揺らし、赤い瞳を瞬かせたマナに鳴は大きく頷いた。
握りしめた掌の暖かさにマナの頬に朱が刺していく。涙を浮かべていたのはもう少し前の話――今は、二人だから不安だってなにもない。
「お友達と一緒なら冬だって寒くないし、シャイネン・ナハトだって、もっともっと楽しくなるの!」
だから、もっともっと一緒に楽しいを探そうと柔らかな笑みを浮かべて。
シャイネン・ナハトの夜は未だまだ続くのだから。