イラストSS

「リゲル」
　見てくれないか、と手を広げポテト チップ(p3p000294)は頬を緩めた。
　白いブラウスの上に羽織った薄紅のストールは彼女の動きで揺れる。頬を撫でる髪を擽ったげに指先で払い目の前に聳えるクリスマスツリーを見下ろした。
　呼ばれたリゲル＝アークライト(p3p000442)は完成したツリーを見上げ、ぱちりと瞬く。
「どうだ？」
「最高に綺麗だよ」
　常ならば感情の表現に乏しいポテトにとってリゲルと共に在る時間は何よりも尊い。初めてのシャイネン・ナハト(クリスマス)に心を逸らせツリーの飾り付けを自信満々に行うポテトがリゲルにとっては何よりも愛おしくて。
　混沌世界でのシャイネン・ナハトは天義出身のリゲルにとってはまた別の意味に感じて心がほわりと温かくなっていく。
「ポテト、飾り付けが終わったらディナーにしないか？　折角のシャイネン・ナハト。精一杯楽しもう」
「ああ。料理だってたくさん用意した。シャイネン・ナハトはチキンとケーキを食べる――んだろう？
　そういうのも楽しみだ。リゲルとだったら何でも楽しく感じるな」
　頬を緩めたポテトにリゲルも釣られて笑う。
　柔らかな灯りに照らされて今日という日を精一杯に楽しもう。