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しっかり支えててくださいね
しっかり支えててくださいね
イラストSS
縁側のガラス戸の向こう。降り積もる大雪は天候システムが壊れたからだと聞いた。
大凡初めての大雪にわくわくと心躍らせたのは龍成だけではない。
「龍成、雪だるまを作りましょう!」
珍しく勢いのあるボディの声に、龍成は目を輝かせる。
「おう! 作ろうぜ雪だるま!」
雪だるまを作るなんて何年ぶりだろうか。
希望ヶ浜は殆ど雪が降らない。降っても翌日には溶けている事が多いのだ。
山奥へ行けば雪は見られるだろうが、まず市街ではこんなにも積もらない。
だから、小さい頃にスノードームで作ったきりだと龍成はボディに笑みを零す。
自分はどうだっただろうかとボディは首を傾げるが、まあ何方でも良いかとバケツを取った。
親友が楽しそうにしている事が、嬉しい。
「なあ、来年も一緒に雪だるま作ろうぜ」
「ええそうですね」
こんなにも子供っぽい事を二人でする。
それは、常に死と隣り合わせのイレギュラーズにとって叶えられないかもしれないものだ。
だからこそ、その笑顔と共に思い出せるように交わす、小さいけれど大切な約束。
「来年も、次の年も、その次だって一緒に作りましょう」
雪の日に紡ぐ儚き誓い。決して違えぬ約束を――
*SS担当:もみじ