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冬越 弾正のFchiyoによる2人ピンナップクリスマス2021
冬越 弾正のFchiyoによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
真冬の遊園地はあったかくてわくわくする。
ベネラーがぼんやりとしていたら、突然窓から入ってきた弾正に連れ出された先がここだった。
「フッ……俺は通りすがりのブラックサンタ! よく働くいい子に、ご褒美をあげに来たぞ。決して不審者ではない。あと冬越弾正ではない。サンタは実在するからな」
なんて口上を述べられたから。
「ブラックサンタが来るなら、僕は悪い子ですね」
ベネラーはそう返した。
「なっ、そういうわけではない! あとべつに石炭を持ってきているわけじゃないぞ! 純粋にねぎらいのためにここへいるのだ!」
弾正は心配していた。ベネラーが持ってくる依頼は悲惨なものばかり、大人だって目を背けたくなる。おそらく妹分のリリコを守るためにそうしているのだろうと弾正は考えた。……けなげだ。優しい子だ。切ないくらい、いい子なのに。このままでは誤解されてしまうだろう。だからせめてひとりくらいは理解者がいると伝えたかった。
弾正が手を差し伸べると、ベネラーは、はにかみながらその手をとった。
「どうだ楽しいか、遊園地は」
「はい……」
ベネラーは穏やかな瞳を弾正へ向けている。
「弾正さんの笑顔が、僕へのいちばんのプレゼントです」
※SS担当者:赤白みどり