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サイバー赤い糸のその先は
サイバー赤い糸のその先は
イラストSS
指先から繋がる其れは、誰の元へと続いているかも見えると言われていて――
『サイバー赤い糸』を手繰るようにしてドウはベッドへと転がった。ふんわりとしたシーツに埋もれ、小指の先に繋がる赤い糸を眺めては頬が色づいて。
広がる雪色の髪はふわりと波打った。紅色の眸に乗せられた恋情が今も溢れ出してしまいそう。
黒いビキニにサンタクロースの帽子。白い肌を隠すのはふんわりとした黒いケープ。『愛しい人』はこの格好を見てなんと言うだろう。
――へぇ、悪くないんじゃない?
なんて。揶揄い上手なあのひとが髪先に口づけを落としてくれる刹那を思い浮かべては、この夜が色付いた。
糸を手繰って、あなたが何処に居るかを突き止めたくもなるけれど野暮な事はせずに一人待つ。
深まる夜に、漂った淡い空気はR.O.Oであれども変わりなく。真白の景色はリアリティを追求し、室内のぬくもりをより強調していて。
あなたが来たら何て言おう? 寒かったでしょう? それとも……。
逸る心を胸に。そっと小指の先へと口付けた。
待つ時間さえも、こんなにも愛おしい。
*SS担当:日下部あやめ