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ダリルのWuvによるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
「……美味しそうじゃのぅ……」
年の瀬、シャイネンナハトの夜。
街角を彩るマーケットでは、祝祭の日を祝おうと、七面鳥の丸焼きとか、おっきなシャイネンナハトケーキの様な、常日頃では中々食べるような事の無い料理が並ぶ。
勿論、香ばしく焼かれた料理からは、食欲をそそる美味しそうな匂いが立ち上るし、甘い甘い料理は口の中にその甘さが容易に想像出来て……自然と涎が流れる。
美味しそうなビジュアルに加え、空腹を刺激する嗅覚からの刺激……そんな料理を眺めていたダリルも勿論、そんな料理を食べたくて、食べたくて……。
「んー……? 嬢ちゃん。どうしたんだい、買って行くかい? 今日はシャイネンナハトの日だからね! 時には豪勢な料理を楽しんでも良いよね!? ほらほら、大サービス、この金額でいいよっ!!」
プライスカードをピッ、と提示する店主。
……祝祭価格というか、ハレの日価格というか……まぁ、結構な金額。
「……あ、い、いや……申し訳無いが、今手持ちがなくてのぅ……」
やんわりとした態度で、プライスカードを返すダリル。
『あら、ならしょうがないねぇ……! ま、あんたにもシャイネンナハトの祝福が有らんことを、ってね!! さぁ、そこの人達はどうかな? せっかくの祝祭の日だから、こういう時位奮発しなくっちゃね!!』
店主はダリルの後ろで品定めをしていた別の客に営業トークを嗾ける。
……そんな店主の方を眺めながら、ダリルは。
「……いいのぅ……」
小さくお腹を鳴らしながら、美味しそうな匂いが漂うマーケットを左へ、右へと散策。
少しでもこの美味しい香りを、お腹いっぱいに見たそうとするのであった。
※SS担当者:緋月燕