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イラスト詳細

黎明院・ゼフィラのせたあおこによる関係者1人+PCピンナップクリスマス2021

作者 せたあおこ
人物 黎明院・ゼフィラ
イラスト種別 関係者1人+PCピンナップクリスマス2021(→おまけイラスト)(サイズアップ)
納品日 2021年12月24日

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イラストSS

 それは夢のような光景だったに違いないのだ。
 母と娘。生と死、或いは世界によって離別した二人は、こうして再び出会うことができた。
 違う所はある。娘から見た母の面影は、あの時から変わりなく。
 母から見た娘の面影は、あの時よりずっと大きくなっていた。
「ゼラム、キミ、今日(シャイネンナハト)は暇かい?」
 ゼフィラは言う。ゼラムは内心動揺しつつ、しかしいつも通りの結んだ口を見せた。
「ええ、まぁ、はい。流石に研究機関も休暇をとりますからね」
「なら結構。着替えたまえ。出かけよう」
「は? え、ちょっと」
 半ば無理矢理のように着替えさせられて、気づいたら色づく街の中に放り出される。そのままゼフィラに手を引かれれば、ゼラムは慌てた様子で歩調を合わせる。
「なんですか、急に……」
 母さん、という言葉を飲み込んだ。
「いや? こういう夜は、こうやって……出かけるものだろう?」
 娘と、という言葉を飲み込んだ。
 二人は、お互いがそうだと気づいていながら、その正体を明かしていない。
 拒絶されるのが、怖かったから。ようやく再開したあなたに、手を振り払われるのが怖かったから。
 今こうして、他人として握っている手。
 それが、離れてしまう事が……。
「まぁ、いいですが」
 ゼラムは苦笑する。
 仮に真実を伝えあっても、その手は離れないかもしれない。
 私達は、臆病者かもしれない。
 けれど……いまは、この繋がった手のぬくもりが、とても愛おしい。

  *SS担当:洗井落雲

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