イラスト詳細
『一体どうしてこんなことになったのか』
イラストSS
「わあ、見てください。雪ですよ」
鈴の音に合わせてどこか遠くで奏でられるシャイネンナハトソング。
夜更けた屋敷の庭に出たすずなは、両手を大きく広げるようにして空に翳した。
ふさふさとした尻尾が揺れ、くるりと振り返るすずなの顔はえっちっち袋だった。
「ふふ……本当ですね。これが、噂に聞くホワイトクリスマスというものなのでしょうか」
くすくすと笑い、自分も靴をはいて庭へとでる澄恋。
清らかな花嫁衣装には不思議なことにひとつの汚れもつかず、見上げた顔はえっちっち袋だった。
ほうっとついた息が白くかすみ、夜の空へと消えていく。
「今日はごちそうになってしまいましたね」
「いいものも見れましたし」
すずな(えっちっち袋)となずな(えっちっち袋)が振り返ると、縁側の廊下に立った一条 夢心地がえっちっち袋顔で頷いた。
ゆるりと腕を組み、手招きするふたりの美女(えっちっち袋)に答えて自らも庭へと出る。
黄金色のきらびやかな衣装は、むしろこの風景には似合っているようですらある。
「しかし、なぜ皆『しゃいねんなはと』に雪を求めるのじゃろうなあ」
などと言ってはみたものの、夢心地(えっちっち袋)には分かっていた。
雪によって音を吸われた夜の風景は静かで、わずかに香る雪解けのにおいが庭を満たしている。
この風景を風流と言わずして、なんというのだろう。
広い庭を歩き、あははと少女のように笑って降る雪をキャッチしようとするすずな(えっちっち袋)。
その様子にくすくすと笑いながらも、ふうっと息を上げて雪を動かそうとしてみる澄恋(えっちっち袋)。
はじめは単に、日頃世話になっている仲間に料理や酒を振る舞うことでシャイネンナハトのプレゼントとしようという夢心地の気まぐれめいたパーティーであったのだが、どうやら予想外に喜んでもらえたようだ。
それに、こんなにも無邪気に仲間(えっちっち袋)たちがはしゃぐ姿を眺めるというのも、これもまた……。
「風流、じゃな」
笑みをたたえ、空を見上げる。深く深く息を吸い。そしてゆっくりと吐き出した。
空を、魔法のソリが飛んでいく。
少し前から王が始めたことで流行ったという『サンタクロース』なる風習だ。今宵も誰かが誰かにプレゼントを届けようと飛び回っているのだろう。
「どれ、これから『サンタクロース』でもどうじゃ?」
一杯行かぬか? みたいなテンションでソリをひくジェスチャーをしてみせる夢心地(えっちっち袋)。
すずな(えっちっち袋)と澄恋(えっちっち袋)は顔を見合わせ、そして「いいですね!」と声をあげた。
夜はこれから。輝かんばかりの、この夜に。
担当GM:黒筆墨汁