イラストSS

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「はははー！　喜べ子供達！　この幻想トナカイマンがサンタさんを連れてきたぞう！」
「サンタさん！？　やったぁ！」
　……幻想の孤児院にて、トナカイ姿のエーレンを胡乱じた目で見ながら、サンタの格好をしたコルネリアはプレゼント袋をごそごそと持ち込んでいた。
「はいはい、解ってるのだわ」
　或る子供にはお菓子、或る子供には流行りの玩具と、渡された子供たちは喜びの表情を浮かべる。
「これ、欲しかったヤツだ！
　サンタさんどうしてわかったの？」
　……その問いに適当な答えを返そうとしたコルネリアに、しかし。
「それはな皆。このサンタさんは予め孤児院のシスターからみんなの欲しいものをちゃんと聞いたうえで用意してくれて……」
「働き者のトナカイにもプレゼントをあげるのだわ。鉛の」
「ご遠慮願いたい！」
　思い切り後退ったエーレンに殺気交じりの視線を送るコルネリア。
　そんな中。くいと服の裾を引っ張る感触が。
「サンタ、さん」
　彼女が振り返れば、其処には何処か気弱そうな男の子が、人形を抱えながら微笑んでいて。
「ありがとう」
「……」
　素直な言葉を言う男の子に、コルネリアはそっぽを向きつつもぐりぐりと頭を撫でてやった。


　※SS担当者：田辺正彦