PandoraPartyProject

イラスト詳細

ダブルフォルトのその先で

作者 黒猫
人物 ドラマ・ゲツク
レオン・ドナーツ・バルトロメイ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2021(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2021年12月24日
ボイス

4  

イラストSS

●今年は笑顔で
「レオン君!」
 同じ呼びかけを今年何度しただろう。
 時には単純で、時には複雑で。
 万華鏡のように色合いと景色を変えるドラマはこれから先、何回彼にそう呼びかけるのだろうか。
「ああ、『時間ピッタリ』じゃん」
 眩い輝きを放つ夜景を向こうに、遠くを眺めていたレオンが視線をドラマの方へ移していた。幽かに舞い散る雪が彼のコートに薄く存在感を残している。
「……時間ピッタリなのですよ?」
 唇をほんの少し尖らせたドラマは「そうだな」と悪戯気に笑うレオンの顔を覗き込んだ。
(……本当は、待ち切れなかったのですよ)
 彼女が待ち合わせに到着したのはレオンより早い三十分前だ。しかしながら、彼女はここへは来なかった。どうしてか? 簡単だ。『書にもいい女は待たせるものと書いてあったから』。
 ……聖夜のデートが『減る』のは堪え難い。時間ピッタリは逸る気持ちと相談した結果のギリギリの産物である。
「そうだな。三十分前は時間ピッタリだ」
「!?」
「オマエらしくて丁度いい」
「!? !?」
 ドラマの肩についた雪を指先で払い、レオンは笑った。
(ま、まさか私の動きを察知していた……?)
「いいえ」とドラマは首を振った。考えれば不幸になる!
「ほら」
「はい?」
「腕。寒いだろ?」
「――――」
 涙に濡れた何時かのシャイネン・ナハトとは幾らか違う。
 ドラマはレオンが『デートの体』を認めた事が嬉しかった。
「――はい!」
 にっこり笑って、飛びつくように腕を取る。
 ジゼルでもざんげでも、かかってこい!!!

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