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ミソラ・アベンチュリアの山中みや子によるシングルピンナップクリスマス2021
ミソラ・アベンチュリアの山中みや子によるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
輝かしい夜、シャイネンナハト。
とある教会で混沌の神に祈りを捧げる少女――ミソラは指を組み、目を閉じていた。
儚くも美しいその光景は、まるで天使が祈りを捧げているようにも見えることだろう。
「…………」
祈りの言葉は聞こえず、されど彼女が祈りを捧げているとわかるのは、やはりそこが教会だからだろうか。
彼女の祈りを称えるように輝く光はステンドグラスを通り抜け、静かに床に、そしてミソラの姿に色をつけていた。
彼女が祈る内容については、誰にもわからない。
僅かに小さく口が動いたが……その言葉は聞き取ることは出来ず。
ただひたすらに混沌の神に祈りを捧げること、それだけを続けていた。
「……あ」
ふと、ミソラの視線が前を向く。
その先に見える『何か』に目が向いてしまったが、ミソラはそれを見なかったことにしてもう一度祈りを捧げる。
『それ』はまだ、祈りを捧げる間には見てはいけなかった気がして。
今はまだ、祈りを捧げ続けなければならないと思って。
もう一度しっかりと目を閉じて、ステンドグラスの光を浴びながら指を重ねて祈り始めた。
――輝かんばかりの、この夜に。
――平和への祈りを込め続ける、聖職者が1人……。
※SS担当者:御影イズミ