イラスト詳細
メルナの竜呑による2人ピンナップクリスマス2021
メルナの竜呑による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
平和への祈りや人びとの笑顔であふれるシャイネンナハトの賑わいから背を向けるように、メルナはただ静かな時間だけが流れるその場所に足を向けた。
メルナは物思いにふけるように、夜の町のベンチに腰掛け、夜空の流星を1人見上げていた。
そこに自分以外の誰かが現れることなど予想していなかったメルナは、背後から声をかけられたことで飛び上がりそうになった。
ホロウ・ゴーストは、わざとらしいおどろおどろしい口調でメルナの注意を引き、即座に振り返ったメルナに笑いかけた。
「こんな日にこんなところにいるなんて、私と同じ幽霊かと思ったよ」
メルナはホロウの一言に苦笑しつつも挨拶を返す。
自身を幽霊と称するホロウの足先は、確かに半透明の状態に見えた。
同じ場所で知り合い、同じ場所で交流を深めてきた2人。ホロウはメルナの隣に腰掛け、「私だけじゃなかったんだね」とどこかうれしそうにつぶやく。
「1人で静かに過ごしてもよかったんだけど、2人も悪くないよね?」
ホロウのその一言を聞いたメルナは、ホロウの温もりに触れたような心地を覚え、大きく頷くと、
「うん……私もそう思う。一緒だね」
メルナから浮かない表情が消えたことで、ホロウは晴れ晴れとした気持ちで、粉雪舞う夜空を見上げた。
※SS担当者:夏雨