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ジュディス・バルヒェットのがんえんによるシングルピンナップクリスマス2021
ジュディス・バルヒェットのがんえんによるシングルピンナップクリスマス2021
イラストSS
ベッドの上。布のこすれる音がして、膝がゆっくりと畳まれる。
月明かりしかない部屋に、一人の女性の影がおちていた。
ジュディス・バルヒェットの目には滴がのこり、目を瞑ると同時にそれはシーツへと落ちて吸い込まれていく。
羽織っていたジャケットも、白いシャツも、タイトスカートにも皺がつくことを、まるで考えてもいない様子でジュディスは身体を丸め、自らを抱きかかえるかのような、不安そうな姿勢で薄目を開いた。
胸に抱えているのは、なんということか酒瓶である。
和製のものなのか、中には透明な酒がとぷんと音をたててゆれていた。
身体にこうして大きな瓶を抱えて横たわると、不思議な感触がある。
停滞。陰鬱。あるはずのない熱。そしてわずかな希望。
とぷんと揺れる液体に心が解けていくような、次に目を覚ましたときに別の自分になっているのでという希望。
ジュディスは暫くそのまままるくなっていたが、やがて足を伸ばしてベッドへと投げ出した。
豊かな、すらりとしたふとももがわずかに揺れる。
身体を起こしたジュディスの目には、もう涙はない。
いつもの彼女が、そこにはいた。
担当GM:黒筆墨汁