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風巻・威降の桐ノ瀬による2人ピンナップクリスマス2021
風巻・威降の桐ノ瀬による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
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「静かですね、紡さん」
「ええ、本当に。威降は寒くないですか?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
風巻・威降(p3p004719)と月羽 紡(p3p007862)は雪道を歩みながら、互いにちらりと視線を交わす。
雪山の麓、周囲には文明の気配は薄く、多少の音なら雪が吸って反響もしない。
……だからここには誰もいない。この2人を除いて。
「紡さんは、よかったんですか? その、こんな日に、こんなところで」
威降は『俺なんかと』、という言葉は飲み込んだ。それは選んでくれた紡を貶める言葉だから。
「威降とだからいいんですよ。聖なる夜を婚約者と過ごすのに、場所なんて関係ありません」
紡は『婚約者と』、という言葉に知らず頬を赤らめた。関係が深まってから初めての聖夜を迎える2人は、静寂の中によく映える。
ふと、林の中から鳥の群れが飛び立つのに、両者は揃って視線を向けた。紡はその瞬間を待ち構えていたかのように、するりと威降の腕に手を伸ばす。
互いのぬくもりにふたり、小さく笑い合う。西陽はなおも煌々と、2人の姿とその先を照らしている。
※SS担当者:ふみの